宮当番と自治
私たちの住む村は人口1,000人を切った大沢町と言う集落ですが、その中でも日西原地区、簾地区、神付地区などいくつかの地区に分かれ、さらにその地区でも組に分かれています。
私たちは日西原地区の田栗谷(通称3組)と言うエリアで、13軒で構成されています。
今年1年は村のお宮である日西原天満宮のお宮当番を私たち3組が担当しました。
昨年の暮れに宮仕事の引継ぎを行った後お正月の準備から始まり、毎月の月並祭、年に数回ある大祭、そして暮れのしめ飾りつくりなど、毎月お宮を掃除し、お供え物を用意しお宮を守ってきました。
毎回、朝はお宮の落ち葉等の掃き掃除、境内の床掃除やほこりとりなど一通りの作業を村人総出で行います、一通り掃除と準備を終えると村の中の氏子役がお払いに使うときにバサッバサッと左右にふるおおぬさを持って、祝詞を上げはじめます。そしてすべてを終えると賽銭箱の集金をして、みな帰路につきます。
さっきまで一緒に作業していた人があるときは神様の使えになり、また村人しか来ないお宮の賽銭箱を村人が回収して維持費に充てる。祭礼もそうです。獅子になるのも天狗になるのも村の人。住民同士がともに暮らしながら役を演じ、担い、自分たちで暮らしをつくってきたんだなぁあと感じるのです。
先日の宮当番最終日は、村の稲わらを皆で編んで鳥居や拝殿につけるしめ縄つくりでした。ここぞとばかりに年長者の知恵や手さばきに感心します。
日本中でどんどんと風化していく村行事や知恵の数々。
それぞれの地域でお互いが協力しながら、役割を演じ外の力を借りずに自治をしてきたこの村社会の仕組みは関りが大変、時間が奪われる、作業が大変と縮小の風潮ですが、インフラがどんどん外部化していく流れの中で暮らしを自分たちで作る自治の仕組みは本当に貴重なのになぁと思わずにいられないのです。